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平面不整形の設計で気をつけたいポイントとリスク管理

2024.12.05

1. 平面不整形とは?

平面不整形とは、建物の平面形状が一般的な四角形や長方形ではなく、L字型やT字型、凸凹がある形など、不規則な形状を指します。都市部の狭小地や形状が複雑な敷地では、限られた土地を有効活用するために不整形な平面設計が求められることも多く、近年ではデザイン性を重視した住宅にもこうした形状が取り入れられています。

ただし、平面が不整形になると、設計段階で特別な配慮が必要になります。規則的な形状の建物に比べ、耐震性や建物全体のバランスを確保することが難しくなるからです。

2. 平面不整形がもたらすリスク

平面不整形の建物は、設計上の美しさや敷地活用の面でメリットがありますが、一方でいくつかのリスクも伴います。以下は、特に注意すべきリスクです。

  • 耐震性への影響
    平面が不整形になると、建物にかかる力の分散が不均等になり、耐震性に影響を及ぼす可能性があります。特に、L字型やT字型のように「角」が生じる形状では、地震時に「集中荷重」が発生しやすく、建物の一部に負担がかかります。耐震設計では、このような荷重集中を防ぐための補強が必要です。
  • 変形量のバランス調整
    不整形な建物では、地震や風による変形が部分的に異なります。規則正しい形状に比べて、建物の一部が過度に変形するリスクがあり、これが建物全体の耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。変形量のバランスを確保することが、不整形建物の設計における大きな課題です。
  • 施工の難易度とコスト
    平面不整形の建物は、形状に合わせた基礎工事や構造材の加工が必要になるため、施工の難易度が高くなります。また、特別な設計や工法が必要となるケースも多く、一般的な形状の建物に比べてコストが上昇する可能性があります。

3. 平面不整形を安全に設計するためのポイント

平面不整形の建物を安全かつ効果的に設計するためには、いくつかの工夫と配慮が欠かせません。ここでは、不整形な形状に対応するための設計ポイントを紹介します。

  • 構造補強の導入
    不整形な建物の弱点を補うため、耐震壁や筋交いを追加したり、柱や梁の強度を増すことで耐震性を確保することが重要です。設計段階でしっかりと構造補強を考慮することで、地震時の変形や損傷を最小限に抑えることができます。
  • 変形解析による確認
    建物の変形量を予測するため、シミュレーションを活用するのも有効です。専用ソフトを使って不整形な建物の各部位にかかる力を確認し、適切な補強や部材の選定を行います。これにより、建物全体の耐久性と安全性をより正確に評価できます。

4. 不整形設計の実務上のコツとサポートについて

不整形な建物の設計は、デザイン性と構造安全性のバランスをとることが求められ、非常に高度な技術と知識が必要です。また、こうした形状の設計は施工の難易度も高く、工期やコストに影響を及ぼす可能性があるため、事前に詳細な計画が欠かせません。

私たちの会社では、平面不整形な建物の設計や施工に必要なサポートを行っており、構造補強や耐震性の確保に関するアドバイスも提供しています。設計段階での検討から、現場での施工サポートまでを一貫して行い、安心して不整形な建物のプロジェクトを進めていただけます。

5. まとめ

平面不整形の建物は、デザイン性や敷地の有効活用という点で魅力的ですが、構造設計や施工にはリスクと課題がつきものです。地震や風の影響に耐えられる強度や耐久性を確保しながら、安全な設計を進めるには、事前の計画と高度な技術が必要です。私たちのサポートを活用し、平面不整形の建物でも安全かつ効率的なプロジェクトを実現していきましょう。

大賀信幸
当ブログの監修
一級建築士大賀信幸
株式会社ワークス・ワン 代表取締役。
関西大学工学部建築学科を卒業後、1999年11月15日に株式会社ワークス・ワンを設立。
その後、物流事業、不動産管理・運用、職業教育や知財に関する事業など、幅広く活動。
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